Web発注の教科書

WEB制作における構成案(ワイヤーフレーム)とは | かける時間も制作会社ごとに違うの注意

公開日時:2026.03.01

WEB制作における構成案(ワイヤーフレーム)とは | かける時間も制作会社ごとに違うの注意

WEB制作の工程の中で、よく「構成案(ワイヤーフレーム)」という言葉が出てきます。

これは、サイトの骨組みを示す設計資料のような役割を持つもので、

  • ページごとの情報構成
  • メニュー構成
  • 各セクションの配置(レイアウト)

を、デザインや色・画像をなるべく排した状態で、線と箱で表現するものを指します。

この段階では、「どの情報がどこに配置されるか」を整理して、

  • サイト全体の方向性
  • ユーザー体験(UX)
  • コンバージョン設計(CVエリア)

を固める目的が大きく、見た目ではなく「構造」にフォーカスした工程だと考えられます。

補足:ワイヤーフレームと構成案の違い

ワイヤーフレームと構成案が「同一のものとして扱われている現場」もあれば、

  • まず「ざっくりとした構成案」を作り、
  • その構成をベースに、「詳細なワイヤーフレーム」を書き起こしていく

といった進め方をしているケースもありました。

この辺りは案件や制作会社によって変わってくるかと思います。

一般的には、構成 = ワイヤーでも良いのではと考えています。

ワイヤーフレームの時間配分は制作会社ごとに違う

ワイヤーフレームは、見た目がシンプルな線と箱で構成されるため、「それほど時間がかからない作業」と思われがちです。

しかし実際には、制作会社ごとに「かける時間」や「重みづけ」が大きく異なるのが特徴です。

① 上流工程を重視する制作会社

上流工程を重視する制作会社では、

  • キックオフ後に「いきなりワイヤーフレーム」ではなく
  • まず事業ヒアリングや市場調査をしっかり入れた上で

ワイヤーフレームを作成するケースが多いです。

この上流工程では、

  • 顧客ビジネスの課題や目的
  • ターゲットユーザーの属性・行動
  • 競合サイトや市場動向

といった情報を丁寧に整理し、「その情報をウェブにどう落とし込むか」を戦略的に設計します。

こうした準備をしっかりと行うことで、ワイヤーフレームは「戦略を視覚化した設計図」となり、結果として、サイトの方向性が明確になり、ユーザー体験や成果に直結する設計が実現しやすくなるのです。

② 上流工程を軽視する制作会社

一方で、上流工程の経験値が少ない制作会社では、キックオフ直後にすぐワイヤーフレーム作成が始まってしまうケースも少なくありません。

この場合、事業ヒアリングが浅く、市場調査や戦略設計がほとんどない状態で進められるため、テンプレートや過去の事例をベースにした「似たような」ワイヤーフレームができあがりがちです。

さらに、この分野の経験自体が薄い制作会社だと、「市場調査から制作を始める」という発想そのものがなくなり、ワイヤーフレームを「デザインの下準備」のような位置づけで扱ってしまいがちです。

その結果、サイトの方向性やビジネス目線の整理が十分でないまま、本制作に突入してしまうことも少なくありません。

ワイヤーフレームに時間をかけないリスク

ワイヤーフレームに時間をかけない制作会社やプロジェクトでは、

  • 初期段階で設計のズレが生まれやすく
  • 途中の修正が多くなる

というリスクが高まります。

① デザイン・開発後の修正が増える

ワイヤー段階で「どこに何を置くか」を明確にしていないと、デザイン後や制作中に

  • メニュー構成の変更
  • コンテンツ配置の見直し
  • 重要見せ場の変更

などの要望が出てくることが多くなります。

そのたびに

  • デザイン修正
  • レイアウト修正
  • 開発修正

が発生し、結果として納期やコストが予想以上に膨らむケースも珍しくありません。

② サイトの方向性がブレやすい

市場調査やヒアリングが十分でない場合「ターゲットユーザーのニーズ」「ビジネスの目的」と「ワイヤーフレームの設計」がズレてしまう可能性があります。

その結果、

  • 視認しやすい位置に配置すべき重要要素が埋もれる
  • ユーザーが求める情報が見えづらくなる
  • CVエリア(コンバージョンエリア)が曖昧なまま制作が進む

といった状態になり、最終的なWEBサイトの成果に影響を与えることがあります。

商談段階で確認すべきポイント

前述の通り、制作会社によって「ワイヤーフレームにかける時間」や「上流工程の扱い」は大きく異なります。

そのため、正式に発注する前段階で、どこまでやってもらえるのかをはっきり確認しておきましょう。

確認しておくと安心なポイント

上流工程の有無と内容

  • 事業ヒアリングや市場調査はどの程度行ってもらえるのか
  • ワイヤーフレームに反映される「戦略設計プロセス」はどのようになっているか

ワイヤーフレームの作り方と枚数

  • メインページや重要ページのワイヤーを何枚準備するのか
  • ページ単位で情報整理・配置の検討がどの程度入るのか

修正・フィードバックの対応

  • ワイヤーフレーム段階で、何度程度の修正が可能か
  • デザイン・開発後の修正コストはどのようになっているか

納期に対する上流設計の優先度

プロジェクトで「納期」よりも「完成度・成果」を重視する場合、上流工程とワイヤーフレーム段階に十分な時間を確保してもらえるかを事前に確認しておくと良いでしょう。この確認によって、案件の方向性や制作会社のスタンスがより明確になります。

ワンポイントアドバイス

「外形上のデザイン」よりも「構成案(ワイヤーフレーム)」こそが、サイトの「設計図」であり、「方向性」を決める最も重要な工程です。

この工程を「短時間で済ませる」か「丁寧に時間をかける」かで、

  • プロジェクト全体の品質
  • ユーザー体験の質
  • Webサイトの成果

が大きく変わってきます。

発注する側としては、

  • ワイヤーフレームにどれだけ時間をかけるのか
  • 上流工程として、どのレベルのヒアリングや調査を想定しているのか

を事前に確認し、「納期重視の案件/品質重視の案件」に応じて制作会社のスタンスと合致しているかをチェックしておくと、長い目で見たWEB制作の成功につながるポイントになります。

おわりに

ワイヤーフレームは、見た目はシンプルな線と箱ですが、その「設計の深さ」が、WEBサイト全体の成果に大きく影響します。

制作会社を選ぶ段階で、

  • 上流工程の重視度
  • ワイヤーフレームにかける時間とプロセス

をしっかりと確認しておくことで、「納期だけではなく、成果と品質」を重視する案件では、より軸のしっかりしたプロジェクトを進めやすくなります。

WEB制作をご検討の際は、ぜひこの視点を意識して案件の進め方を検討してみてください。

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執筆者 | 西條輝(Saijo)
EC Director / Web Director / Web Developer
7年(週7年)で制作を続けてきました。8年目に突入。
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